嘔吐によって腹圧が急に上昇し、食道と胃の境目の粘膜が縦に裂けて出血する病態で、上部消化管出血の約10%を占めます。嘔吐の原因はアルコールの多飲、妊娠、乗り物酔い、片頭痛、急性胃腸炎、などがあります。また分娩時や排便時のいきみ、激しい咳、くしゃみ、などで起こることもあります。
1929年にマロリーとワイスという2人の医師によって報告された事からこの名が付けられました。
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繰り返す嘔吐後の吐血、下血、みぞおちの痛み、立ちくらみなどがあります。激しいみぞおちの痛みを伴う場合は食道壁全層が破れる病態である特発性食道破裂(Boerhaave症候群、ブールハーヴェ症候群)の可能性があります。これは予後不良なことが多く、極めて重篤な状態です。
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内視鏡検査を行い、病変の状態(どこから出血しているか、傷の深さと大きさ)や出血の程度(止血しているか否か、出血している場合はその形態)を確認して治療方針を決めます。したがって、嘔吐した時に出血した場合は、なるべく早く内視鏡検査を受けることをお勧めします(当院では胃内視鏡検査が可能です)。血液検査で貧血の程度をみます。
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内視鏡検査で潰瘍から動脈性の出血が確認された場合は、すぐに内視鏡下で止血処置を行います。止血処置には潰瘍の露出血管にクリップをかける方法、エタノールを注入する方法、血管を電気焼灼する方法などがあります。処置後は、潰瘍の深いものは入院し、絶食、輸液療法などの治療を行います。出血量が多い場合は輸血が必要になります(15%)。潰瘍の治療として、プロトンポンプ阻害剤やH2受容体拮抗剤などの酸分泌抑制薬を用います。大部分は自然に止血して自然治癒します。約70%は保存的治療で治癒し、30%に内視鏡的止血が施行され、外科的治療が必要となるのは約1%です。
暴飲暴食を避け、吐くまで飲酒しない事が肝心です。特にアルコール濃度の強いお酒で起きやすいため、ウイスキーなどをストレートで飲むようなことは避けたほうがいいでしょう。さらに便秘は腹圧が上がる原因になるので、便秘にならないように心掛けましょう。また吐き気がある時に無理に吐こうとすることは止めましょう。
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